第165章 彼女は自分の刺激の仕方をずっと分かっている

カウンセリングルームの外。

厚手のコートにマスク、帽子まで被って全身を隙なく覆った中尾美希は、向かいの廊下の壁に背を預け、スマホで「精神疾患」だの「症状」だのと検索していた。

たった数日のうちに、長谷川栞が精神科に来るのを見るのはこれで二度目だ。

ここまで頻繁に通うとなると、相当重いのだろう。

――惜しい。前回は、結局なんの病気か聞き出せなかった。

栞が出てきたら、もう一度探りを入れるべきか。

それとも、今このまま中に入って、何とかして聞き耳を立てるか。

迷っていると、向かいから不意にドアの開く音がした。

考え事に沈んでいた美希は、別の患者が出てきたのだろうと顔を上げなかった...

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